キャッシング・セラピー
時間不整合性1

「時間不整合性」という人間の性向を「人間ってだらしないよね」の一言で済ませず、経済学ではそこに一種の「理由付け」や「法則性」を見出そうとします。
例えば、今すぐに手に入る10万円と1年後に絶対確実に手に入る15万円のどちらか一方だけの選択を迫られた場合、あなたは1年後の金額に「あなた固有の」割引率を掛けて、現在の価値に直して比較すれば良いのです。あなたの割引率が0.8なら、15万円×0.8=12万円が1年後の15万円のあなたにとっての「現在の価値」だから、あなたは1年待つことを選ぶことになります。(ちなみに、預金利子率の存在は無視しています)
大事なのは、このような割引の仕方は、「時間整合性」を備えている、という点です。