キャッシング・セラピー
時間不整合性2

時間不整合性のつづきです。
例えば、今年の10万円と1年後の15万円を現在の価値に直して比較して後者のほうが好ましいなら、5年後の10万円と6年後の15万円を現在において比較しても同じです。なぜなら、前者には割引率を5回掛け、後者には6回掛けて比較するわけだから、掛け算の回数の違いは1回分だけで、どちらが大きいかは現在と1年後の比較結果に帰着されるからです。
つまり、あなたがこのような比較を心の中で採用しているなら、5年後と6年後についての判断は、時間が経過した末に「今年と来年の比較」と変わっても、なんら変更がなされることはないのでする。このような計算は「指数割引」と呼ばれ、「時間整合性」を持っている選好なのです。