個人再生と破産

「個人再生」と「破産」は、裁判所が手続に主導的に関与するので法的整理 といわれています。 「個人再生」は、収入を得る見込みのある債務者について、債務元金を減額 した上でこれを原則として 3 年間(特別の事情があれば 5 年以内)で分割して 返済すれば残りの債務額は免除される方法であり、手続きの違いにより、一般 的に多く利用されている「小規模個人再生」と、「給与所得者等再生」に分か れます。

まず「小規模個人再生」は、被担保債務を除いた無担保の債務総額(これを 「基準債務額」という。)が 5 千万円を超えない債務者に認められ、基準債務額 の金額により算出される最低弁済額の要件と自分の所有する財産額(破産した 場合に処分されるべき財産の金額)以上のものを弁済するという原則によって 債務弁済額が決まります。 次に、「給与所得者等再生」は変動の幅が少ないと見込まれる一定収入のあ る債務者に認められ、「小規模個人再生」の条件の他に、一定の方法で算出し た過去 2 年間の可処分所得額以上の債務弁済額であることが必要になります。 また、自宅を手放さずに債務整理を進めたい人のために「住宅資金貸付債権 に関する特則」が定められています。(Q19 を参照してください。)これは、特 定の要件(住宅ローンのみに抵当権が設定されていること、居住用の住宅であ ること等)を充たす住宅ローンに関するもので、当初の弁済期日を延長するな どにより、住宅を確保することが可能となる仕組みです(元本や利息を免除し たり減額する制度ではありません)。 「破産」は、債務超過(資産より借金が多い場合をいいます。)にある債務者が、 免責という手続を経て、債務の支払義務を免れる方法です。