破産申立ての手続き

破産の申立ては住所地または居所を管轄する地方裁判所に対して行います。 住民票上の住所地と、現に住んでいる所と異なる場合には後者になりますが、 この場合には何故異なるかを説明する必要があります。そのために、「上申書」 という書面を作成し、提出することになります。

提出する書面は弁護士会や司法書士会で手に入れることになりますが、書式 は裁判所によって異なりますので、注意してください。書面に書く内容は債権 者一覧表、何故破産に至ったのか、現在の生活状況はどうであるか、資産とし て何があるかなどを約 8 枚程度に書き、これを裏付ける資料を添付することに なります。内容は自分のことをありのままに書けばよいのです。

申立て用紙には収入印紙 1,500 円(破産手続開始申立て 1 千円、免責申立て 500 円)を貼り、予納郵券(郵便切手)として若干の納付が必要です。予納郵 券の組み合わせなどは各地方裁判所で取扱いが異なります(約 5 千円〜 2 万円) ので裁判所に照会してください。例えば、東京地方裁判所の場合、予納郵券は 4 千円分です。

申立書が受理されると費用の予納が必要です。金額は裁判所によって多少異 なりますが、東京地方裁判所本庁の場合、予納金(官報公告費用)として、同 時廃止事件の場合は10,290円、少額管財事件の場合は16,090円が必要なほか、 少額管財事件ではさらに破産管財人の費用として20万円が必要です。予納金(官 報公告費用)を納めないと破産手続開始申立ては棄却されることがあります。

破産手続開始申立てが裁判所で受理されると、事件番号が付きます。各債権 者からの請求や強制執行を止めるために、各債権者に対し自分が破産を申立て 受理された事実を、事件番号を添えて通知してください。

弁護士を代理人として依頼する場合や司法書士に書類作成を依頼して自分で 申立てを行う場合には、上記費用の他に事件の内容によって幅はありますが、 概ね以下の費用が必要となります。
弁護士の場合 40 万円以内
司法書士の場合 約 15 万円〜 30 万円
なお、司法書士は破産事件の代理人にはなれませんから、裁判所への破産の 申立て手続き、裁判所から呼び出され裁判官からの質問への応対などの手続き は自分で行うことになります。 ところで、裁判所は(特に、東京地裁は)、弁護士が関与した申立てである ことを前提に、破産原因や免責不許可事由の有無を判断し、手続きの方針を決 めています。弁護士が関与しない破産申立ての場合、同時廃止にはなりにくく、 また、管財費用も、より多額になる(東京地裁の「少額管財」は弁護士が代理 人となっていることが前提です。)など、債務者には予想できない不利益が及 ぶことがあります。 そのため、一般的には破産申立てをするときは、弁護士に依頼した方がよい と言えます。