金利とリスク②

これは個人向けローンにおいてもまったく同じと言える。銀行は確かに金利が低い。10%以下でフリーローンを借りることも可能だ。だが、金利が低いということは審査も厳しいということを意味する。審査基準となるのは年収、既存債務、年齢や家族構成、職業・勤務年数などの属性が中心で、こうした諸々の要素から支払い能力が分析されて、その銀行の審査基準をクリアできれば融資を受けられることになる。その基準が厳しいということで、既存債務が「まとめなければ返済できない」と本人が困るほどに多ければ難しいのも当然。

もちろん、銀行にも「借り換えローン」「おまとめローン」などの商品がないわけではないが、総じて金利は高めに設定しているし、場合によっては保証人が必要ということにもなる。銀行はリスクを限りなくゼロにしなければならないことが一方では求められているのだから、これは仕方のない話だ。

最近では上限を15〜18%に設定する新規参入企業もある(例えばモビットとかキャッシュワンとか)。こうした業者が20%台の金利で営業している消費者金融業者よりも審査が厳しくなるのも同様のこと。はじめから「消費者金融とは異なるミドルリスク層をターゲットとする」と言っているのだから、まあ当たり前とも言えるが。 また、もし借りられるとしても、消費者金融で借りたときのように「簡単」ではないことも分かっていただけるだろうか。金利にはリスクとともに「利便性提供料」も含まれているのである。